Daddy-Long-Legs and Dear Enemy

nemunemu2005-05-21

Jean Webster作「あしながおじさん」と「続あしながおじさん」の原作です。子どものころから何十回となく読んでいるのですが,ひさしぶりに英語で読んでみました。

Daddy Long Legsは,ジョン・グリア孤児院で暮らすジュディがあしながおじさんに文才を認められて大学で教育を受けるようになり,大学の寄宿舎からおじさんに手紙を書いて,日々の暮らしを報告し…という作品で,今読むととかなり「おじさん」の下心が気になるっていうかおじさんてばロリ? とか思っちゃったりしないでもありません。が,女の子3人同室の寄宿舎生活や服装に関する描写,英文学に対するジュディの感想などが魅力的で,いつ読んでも楽しい作品です。

Dear Enemyは,ジュディの親友サリーがジョン・グリア孤児院の院長になり,孤児院での生活や気難しいドクターなどについてジュディに手紙で書き綴るという構成で,こちらのほうがより大人向けです。今となっては,無邪気な学生のサリーよりも日々悩みつつも問題を克服していく仕事人のサリーに共感することのほうが多いです。

ただ,かなり昔(100年前くらい)の作品であることもあってかなり差別表現が多く,というか根幹の思想が差別的であったりもするので,今の時代にはそくわなくなってきているかもしれません。(実際,Daddy Long Legsのほうは今もさまざまなバージョンが売られていますが,Dear Enemy単体のものはアマゾンで見つかりませんでした。)でも,この作品の魅力はそれを乗り越えるだけの力を持っていて,ひさびさに読み終わるのがもったいないと思えるお話でした。ドクター・マックレイのキャラがとても愛しいのです。